洋楽入門 洋楽ライブの行き方 | 6:ライブ当日開演後にすべきこと | 未経験者向け ロリング方式による洋楽ライブの行き方ガイド
6-1 起こりうるトラブルに動じず音に浸る
メンバー登場。ついにその瞬間はやってきた。ここまで来れば、あとはあなたの心を音で埋め尽くすだけである。
だが、途中なんらかのトラブルに襲われることもあるかもしれない。そこでこの項では、公演中起こりうるトラブルと対処法をあなたに贈る。ここまで来れたあなたなら乗り越えられるだろう。
ちなみにもちろん携帯電話の電源を切ることを忘れてはいけない。ライブは生ものだ。アーティストはプロではあるが、たったひとつの 着信音がアーティストの集中力を奪う可能性がある。 ライブの出来に影響してしまうので、電源はかならず切っておこう (図1)。
6-2 【ケース1】頭痛やめまい
トラブル | 大音量を長時間浴びることによる頭痛やめまい、酔いの諸症状 |
対処法 | (1) 前日十分な睡眠を取っておく |
(2) 空腹、食べ過ぎ、飲過ぎ状態での観覧を避ける。 | |
(3) 観覧前にアルコールや乳製品、炭酸飲料を摂取しない。 | |
(4) 観覧前に市販の乗り物酔い防止薬を飲む(プラシーボ効果)。 | |
(5) あらかじめフロア後方中央の位置で観覧する。 | |
(6) 我慢できそうにない場合、後方に退避する。または途中退場する。 |
スピーカーの出音はかなり大きい。大会場や野外では音が分散するが、小さなハコでは 音の行き場が限られ直接体に届く (図2)。それこそが魅力なのだが、時として凶器になりうる。
とりわけベースの低音は 体の芯に響く日常生活で浴びることの無い音域である。 耳に届く角度がよくなかったり長時間浴び続けると三半規管が揺り動かされ、頭痛やめまい、酔いの諸症状を引き起こす可能性がある。
まず、通常の乗り物酔いと同じく十分な睡眠を取っておこう。空腹、食過ぎ、飲過ぎ、アルコールや乳製品、炭酸飲料も避けよう。ライブ酔いは緊張による心理的影響が原因の一つであるため、市販の乗り物酔い防止薬のプラシーボ効果も侮れない。 有効な観覧場所は後方中央。 全体を見渡せ各楽器の音がバランスよく耳に入り出口に近いからだ。
症状が出てしまい我慢できそうにない場合には、MCやチューニング時の観客の動きが止まっている時を利用して後方に行こう。本気でやばそうな時には、心惜しいがスタッフに事情を話し途中退場する勇気も大切だ。
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6-3 【ケース2】痴漢行為
トラブル | 密集状態を利用した周囲の観客からの痴漢行為 |
対処法 | (1) 偶発的な接触と意図的な痴漢行為は同じではないことを念頭に置く。 |
(2) 肌の露出を減らす、厚手の素材を選ぶなどの自己防衛を取る。 | |
(3) 彼氏や男友達に同行してもらう。 | |
(4) 隣の人や後ろの人に事情を話し場所を変わってもらう。 | |
(5) カウンタースキルを発動し真っ向勝負する。 | |
(6) はっきりと拒否する態度を表す。 |
スタンディングライブでは、隣人の手が体にあたった、寄りかかられたなどの現象が 偶発的に起こる可能性がある。 ヘヴィミュージックの場合は、モッシュによる押し合い、足を踏まれる、殴打された形になる、などの現象も発生しうる。
だがまず、これらの現象は 「あくまで突発的な事故である」 ことを念頭に入れておかなくてはいけない。狭い空間に鮨詰め状態という非日常的な環境で観覧しているからだ。よって、偶発的な接触に対して過度に反応するのは望ましくない。あなたが振り上げた拳が偶然人に当たってしまう可能性もあるのだ。 偶発的接触と痴漢行為は別物 であることを知っておいて欲しい。
だが悲しいことに恥を知らない人がいる時代である。痴漢行為を行う洋楽ロックファンがいるなどバカバカしくて考えたくもないが、ここは現実問題として対処法を考えていこう。
基本として、ある程度の自己防衛は必要であるといえよう。肌の露出を減らした服装にする。厚手の素材を選ぶなどが挙げられる。しかし 熱気対策に逆効果という欠点はある。
次に、彼氏や男友達に同行してもらうという方法が考えられる。実際、彼女の後ろで支えるように観覧しているカップル客もいる。これは痴漢対策だけでなく、 押しつぶされないように守っている という目的があるだろう。パートナーがロック初心者の場合には、事故と痴漢行為は別物であることも説明しておいて欲しい。
明らかな異常行動に襲われた場合には、隣の人や後ろの人にその旨を話し場所を変わってもらうという方法が考えられる。無論、最も望ましいのは、周囲の協力とともに犯人を警察に突き出すことではあるが、場の状況的に難しい現実がある。よって、犯人から遠ざかることで牽制しよう。
最後に、真っ向勝負という方法がある。この記事はあくまで未経験者に向けての内容であるため明言は避けるが、ライブ熟練者の中には、カウンタースキルを発動できる人もいるようだ。
あいにく、現時点では痴漢に対する完全無欠の対処法は存在していない。しかしどの方法にも共通して言えることは、 はっきりと拒否する態度を表す ということである。相手は犯罪者なのだ。
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6-4 【ケース3】尿意・便意
トラブル | 公演中に尿意・便意をもよおす。 |
対処法 | (1) 公演中にトイレに行く。 |
(2) 我慢して終演後にトイレにいく。 | |
(3) 開演前に食事・水分を摂り過ぎない。 | |
(4) 1ドリンク制ライブでのドリンク引き換えはライブ終了後にする。 | |
(5) 体調不良の場合、あらかじめ止瀉薬などの薬を飲んでおく。 | |
(6) 大人用オムツを着用しておく。 |
人間である以上、生理現象から逃れることは出来ない。ライブ熟練者であっても、である。
尿意対策上の最低限の条件として、まず、1ドリンク制ライブの場合のドリンク引き換えのタイミングは、ライブ終了後にしたい。
公演中にトイレに行くことは可能 だ。後方で観覧している場合は容易に行ける。前方で観覧の場合には群集から抜け出すことが困難だが、なんとか頑張って下がろう。
ライブの演奏時間は、通常1時間30分〜2時間30分程度。必ず終わりが来る。我慢できる程度であれば我慢してしまおう。
体調管理がうまくいかなかった場合には 事前に薬に頼ることも必要 だろう。体質的に難を抱えていらっしゃる方には、大人用オムツをまじめにオススメしたい。備えあれば憂いなしなのである。
6-5 【ケース4】モッシュ
トラブル | 公演中発生した観客のモッシュによる怪我の恐れ |
対処法 | (1) モッシュはあくまでノリ方の1種であることを念頭に置く。 |
(2) 愛情を持ってそっと押し返してあげる。 | |
(3) ステージからのジャンプには両手で支えてあげる。 | |
(4) あらかじめ会場中程〜後方で観覧する。 |
とは、へヴィミュージックのライブ特有の、観客がステージから客席へジャンプしたり、フロア内で他人と押し合ったりすることである。もちろん 運が悪いと怪我をする恐れがある。
ただしこれは暴徒化しているのではなく、同ジャンルにおけるノリ方の1種である。よって隣の人のモッシュに対して気分を損なうのは筋違いではある。
モッシュに出くわしたら、愛情を持ってそっと押し返してあげよう。ステージからジャンプしてこられた場合には、よけずにあなた自身の頭部を防御しながら両手で支えてあげるとよい。さもなくば、その人は地面に叩きつけられることになるからだ。
モッシュは男性に限らない。女性のジャンプを男性が支える場合、相手の体に触れることになるので気を使うが、私の経験では、モッシュを行う女性は偶発的な接触と意図的な痴漢行為の違いを認識していることがほとんどである。
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公演中、日本人がモッシュをきっかけに本気の喧嘩を始めることは稀だが、客によってはアグレッシブな展開になることもある。 ライブハウスでのモッシュ・ピット(モッシュ空間)はたいてい前方で発生する ので、モッシュに巻き込まれたくない人は、あらかじめ会場中程〜後方で観覧しよう。
6-6 【ケース5】ライブのノリ方がわからない場合
トラブル | ライブのノリ方がわからない |
対処法 | (1) あなたが格好良いと感じる周囲の観客のノリ方を真似る。 |
(2) 「自分流」と「自分勝手」は違うことに留意し、あなたなりのスタイルで楽しむ。 |
未経験者にとっては、ライブのノリ方を掴みきれない状況が発生するかもしれない。そういう時は、あなたが格好良いと感じる周囲の観客のノリ方を真似ればよい。
ただ実際のところ、どうノろうがあなたの自由である。動かずじっとアーティストの挙動に注目したい人もいるだろう。絶対的なルールは存在しない。
アーティストによっては、客同士の暗黙の了解として同一のノリ方を強制される雰囲気があるかもしれない。だがそれに違和感を感じるなら無理に参加する必要はないし、違和感を感じなければ一体感を楽しめばよい。 あなたなりのスタイルで楽しめばよい のだ。
しかし、 「自分流」と「自分勝手」は違うことを忘れてはならない。 なりふり構わず奇声をあげまくる。やたらと指笛を連発する。卑猥な言葉を大声で発する。これらは歓声ではなく場を乱す迷惑行為である。
6-7 【ケース6】周囲の観客の私語
トラブル | バンドMC中の周囲の観客の私語 |
対処法 | (1) 実害がない程度であれば見過ごす。 |
(2) 悪質な場合は目線を送り自主的な自重を導く。 |
バンドのMCやチューニング時、周囲の人が興じる私語に出くわすことあるかもしれない。
しかし実は、欧米圏で行われるロックバンドのライブでは、当たり前のように観客は私語をしており、バンド側も私語に対して注意を喚起することはまずない。一方日本では、観客はじっと静かにバンドの言動を見守る傾向にある。
これは単に欧米と日本の文化の違いであり、どちらが正解というものではない。私語そのものが、必ずしもバンドに対して無礼にあたるというわけではないのである。よって、実害がない程度であれば見過ごしてあげるのが良いだろう。
悪質な場合は彼らに目線を送り気付かせてあげよう。自主的な自重を導くのである。
6-8 【ケース7】貴重品紛失・盗難
トラブル | 会場内における貴重品紛失・盗難 |
対処法 | (1) 終演後、観客が少なくなってから探す。 |
(2) 見つからなかった場合、会場スタッフに事情と連絡先を告げる。 | |
(3) よって、紛失・盗難の可能性を無くして観覧する。 |
公演中ノリまくっていると、腕時計・携帯電話・装飾品などが 紛失する可能性は十分にある。 また、密接状態にまぎれて盗みを働く者がいる可能性もゼロとは言えない。
紛失の場合であれば、会場のどこかに落ちているだろう。客の入り具合にもよるが、 公演中に探し出すことは困難 であるため、終演後、観客が少なくなってから探そう。ちなみに、私の友人が公演中ピアスを紛失したことがあった。見つけた場所は、どうしてここにあるのか理解できないほど遠くであった。
見つからなかった場合は、会場のスタッフにあなたの連絡先と共に一言告げておこう。フロア清掃時に発見される可能性がある。それでもだめなら、諦めるしかない。
盗難の場合、 残念ながらどうしようもない。 犯人を捜す術がないからである。よって、 紛失・盗難の可能性を無くして観覧する、 というのがベストである。
6-9 終演そして帰路へ
会場観客側の電気が点灯すれば終演の証だ。もうアンコールはない。
その場でクールダウンするもよし。物販を購入するもよし。ドリンク引き換えも忘れずに。ちなみに終演後、アーティストが再びステージに現れることはないので、素直に帰路についてよい。
会場出場後は、あなたの緊張はすっかり解けていることだろう。自由な行動で素晴らしき日を締めくくってほしい。ただし、駅ロッカーの荷物を引取ることは忘れずに。
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